ずっと付き合っていた彼氏と別れて、素性もよく知らない男を選んだから。

聡の言う『後悔』の意味を、私はただ、そう思っていたから。


聡のことはまだ完全には知らない。

聡だって、私のことを知り尽くした、とは言えない。

けれど、これから先、知り合っていけばいいのだから。


七時から謝恩会があると桜が言っていた。

帰って、シャワーを浴びて着替えないといけない。

やることがあるのに。聡もそれを知っているのに。


それなのに私たちは、離れることができなかった。

抱き合った身体を、自然な流れでそのまま求め合いながら……。