「え?」 「子供の頃もさ、お前よくコケたり手ぇ切ったりぶつけたりして、怪我ばっかしてたじゃん?」 「あ…うん」 子供の頃のあたしは、ほんとに怪我の絶えない子だった 「んで、そのたびに俺が手当てしてた」 「そうだっけ…。よく覚えてるね」 「今俺が手当てしてた時のお前の顔が、昔と同じだったから。シュンとして俯いててさ、ほんと……」 そこでハルの言葉が止まった 「…?ほんと、何?」 「…いや、何でもない。もう切るなよ。」 「うん…?」