仕方なく、一緒に歩き出す。不思議でしょうがないから訊くことにした。



「いつも、あんなことやってんの?」


「あんなこと?」


「ナオヤだよ」


「あぁ。可愛いもんさ、暴れたり、吐いたりしないもん」


「だからって、あそこまでしなくても」


「んー、だってアイツ、俺達の大事なボーカルだしねぇ。風邪ひいて、喉やられたら困るし。結局は自分の為、みたいなもんさ」


「ですかねぇ」



それにしても……と思ったが、これ以上云っても意味はないな、と諦めた。
そこまでする価値がナオヤにあるとは思えないが、コイツにとってはあるのだろう。