思わず、発した声がデカかったせいか、名前を呼んだのがマズかったせいか、私はいきなり口を塞がれ、首を抱え込まれた。 「次にその名前で呼んだら、シメるよ」 囁くような低音で、やっぱり男なんだ!とはっきり思う。 「わ、わかったから、離して」 「分かれば、いいのよぉ〜」 高音に戻った声は見た目となんら違和感はない。 そして、確かに美人だ。 久太郎! 顔の造りも服装もゴージャスだけど。