アキトがただただ深ぁ〜くため息を吐いた。 そんなアキトの肩に手を伸ばして、ひと言。 「ご苦労様です」 「やっぱり、行かなきゃダメかな?」 「きっと一晩中、電話くるよ」 「だよなぁ」 繋いだままの携帯からは、まだギャーギャーとわめく声。 悲鳴のような『アッキーーッ!』と叫ぶ声に応えて、渋々と耳に携帯を戻す。 「今、行くから。待ってろっ!」 半ば、キレ気味にも聞こえる声で携帯を閉じた。