そこまで話して、気が付けばもうアパートの前だった。 名残惜しい気持ちをぐっと閉じ込めて、「またね」と言葉を交わす。 ふわっと撫でられた髪の毛から自然に落ちるアキトの手が肩に乗る。 傾いた顔の角度で流石に気付く。 キスがくる。 半分、放心しながら私はまたもや魂が抜けたようになって…… 「ダメだ……スッゲー恥ずかしい。お願い、目ぇ瞑って……」 あれ? 目、開いてましたか? そう云われれば、一部始終見えていたような気もするけど。