思わず、下を向いた私に予想外に届く笑い声。 クックックックッ…… 急にアキトが顔を背けて、笑いを堪える。 「何で笑うの?」 「ウソウソ。嘘だから」 はっ?! 「只の昔のバンドメンバー。アイツ、ヴォーカルだったの」 「ヒドイっ! しかも笑うなんてっ」 「ゴメン、だって今の聞いたらアイツ喜ぶだろうなぁって思ったらさ、アッハハハ……」 堪え切れずに笑い出したアキトにさっぱり意味が解らない私は繋いだ手を振りほどいて抗議する言葉を飲み込んだ。