歩き出すと同時に自然に繋いだ手。 そのぬくもりと大きさに包まれながらも、気になって仕方のないことが溢れ出しそう。 だけど、少しだけ心の準備が欲しいから、とりあえず違う話題から訊いてみることにした。 「そう云えばさぁ、アタシの携帯にいつ登録入れたの?」 「あ〜、あれはねぇ……アキラがトイレに立った隙に?」 なんで疑問系なんだか。 そうして「ゴメン」と云って顔の前に出された真っ直ぐな掌と瞑った片目。 その様子に許さないなんて思える訳もない。