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「スッゲー、嬉しいよ……ありがとうアキラ……実は……結構勇気……いった…………から」



かすれて消えそうに途切れるその声は、錯覚に溺れそうな私の脳内に直接響くように頭の天辺から注ぎ込まれた。


垂れた私の腕に自然と力が入って持ち上がり、回した背中は予想以上に大きくて。
だけど痩せた身体の内側には、引き締まった筋肉がその存在感を誇張するのが解る。


溶ろけ出しそうな甘い何かに支配されて、感覚が鈍るようなクラクラする錯覚。