根っからのお調子者の彼が気付いているか、いないかは別として、それでも私との縁を切らないのだから、それでいいのだろう。


私にもそれが楽だから、未だに腐れ縁が切れないのは確かだ。


そのナオヤが、新しく組んだバンド(と云ってもメンバーはボーカルが抜けただけらしいが……)が今日初めてのライヴをすることが決まった日から毎日のように電話が掛かって来ては“見に来い”の一点張り。最初に“多分行くよ”なんてあしらって云ってしまったが為に、いい加減、折れて来てみれば、打ち上げにまで付き合わされる始末に嫌気が差して、無言で酒ばかり飲んでいた。