そんな私をよそに、至ってマイペースなヤツもいる。
途中に「ねぇ〜、何飲む〜？」とは云うものの、その手はナオヤの好みに合わせて動いている。
アイツは甘い酒が好きだ。
私が苦手なの知ってるクセに。
アキトが半ば呆れた顔で、「オマエの飲みたいもんしか入ってないよ」とつぶやきながら、「日本酒飲みたくない？」と反則的に微笑んできた。
見下ろされるのは好きじゃないハズなのに、なんだか心地よくて自然と顔が弛むような気がするのは、アキトの笑顔につられたからだと思いたい。
「うんっ、飲む！」
素直に答えた自分がなんだかいつもと違うキャラなのも気のせいだと思いたい。
