首だけ振り向いて、ひそひそ声で問いかけるアキトにせっかく収まった胸がまたも高鳴る。 「えっ、あ、さぶちゃん」 どうして私はこうもぶっきらぼうに答えてしまうんだろ。 自分でも思う。 (可愛くない……) 一瞬考えて、目線だけ上を向けたアキトが「あぁ〜、なるほど」とニコッと笑わなかったら、救われなかったかも。