そんな私から、カゴを奪ってナオヤのところへ近寄るアキトを仕方なく追いかける。 「ナオヤ〜! 真剣に読むなよ」 「待って待って、これだけ読ませて〜」 「ひとり増えてもいい?」 「なぁーにがぁ?」 首だけこっちに向けて、のけぞるようにナオヤが答えるとようやくアキトの後ろにすっぽり隠れる形で立つ私を見つけて、周りも気にせずに騒ぎ出す。 「あーっ! 噂をすればアキラだぁ。なになに買い物?」 と云って、アキトの持つカゴを覗き込むとニマっと笑った。 噂をすればって、なんだよ???