「アキラはさぁ、絶対オレの胸でなんか泣いてくんないんだ。
泣く時はいつも布団の中で声を殺して泣いてた。小さい頃から、いつもそうだったから……
意地っ張りで、ちょっとひねくれたとこもあるけどホントは凄くいいヤツだから。そこはオレがめちゃくちゃ保証する。よろしく頼むよ、アッキー」


そう云って、また空を見上げるナオヤがアキトには切なく映る。
いったいナオヤがどんな気持ちで踏ん切りをつけたのか、考えてしまうからだ。
ああ。とだけ答えて、ナオヤの斜め後ろを歩く。