しかし、わだかまりを残したままこの先、完成したあの曲を聴く度にもやもやするに違いないと思うと早めに手を打ったほうがいいのかも知れない。



「ナオヤー、俺もひとつ気になる曲があるんだけど?」


「ん〜? どれ〜?」


なんとも脳天気な受け答えに、悩む自分がちょっとばかり不憫な気さえしてくる。



「三曲目さ…… あれ、誰を想って作った?」


「……………。」



前回のこともあり、ナオヤにはストレートにぶつけたほうがいいと思いながら問いかけたアキトだったが、あまりに直球過ぎたのか返ってきたのは沈黙で、先程までの軽快なスキップすら止まってしまった。