「おおぅっ! カッケーじゃん。ハルタはもう聴いたの?」 「いえ、まだです」 「ナオヤ、早く聴かせろよ」 「イエッサー!」 敬礼のポーズで右手をかざしたナオヤがギターを手にする。 「じゃあ、自信作! 《導火線》から」 軽快に流れ出すメロディは、即座に二人の観客を惹き付けた。 あらためてナオヤの“才能”と云う二文字がアキトにもハルタにも鳴り響いた。 「……イケる、ほぼまんまでイケるよ……」 呟くように自然とアキトの口から出た言葉にハルタが力強く頷く。