一生懸命、曲を書いてたのだってアッキーに見せる為だって。


どんだけ、惚れてんだよっ!


好きな女はいないって否定されたけど、“好きな男”ならいるんじゃねぇかと思っちまうよ、ったく。



元々、人なつっこいナオヤだけど、あそこまでするとはアッキーってカリスマ調教師のほうが向いてんじゃね?



ほら、ナオヤのせいでいつの間にか“アッキー”なんて呼んでるし……。



てか、ナオヤのせいで忘れたいアイツの顔が出てきちゃうじゃんか。





そういえば……、



この帰り道…………。



ふかした煙草は違うけど、煙を空に逃して、あの日のことを思い出していた。