「ちょっと待ってて」と云って、入ったトイレの中でしこたま鼻をかむ音を響かせてから、ナオヤはたいして汚れてもいない部屋を片付けると云って慌てた。 散乱してると云えば、テーブルの上のノートと傍らに置かれたギターぐらいなのに。 「散らかっててごめん、曲作ってたんだ」 「もしかして、邪魔した?」 首を左右にブンブン振って否定したナオヤは、びしょ濡れの犬みたいだ。