「しばらく、このままでいてやるから。絶対そっち見ないから安心しな」 最後の言葉を云い終える前に、後ろから伸びてきた両腕にすっぽり包まれたのがわかった。 右肩に頭の重みがかかって、ふわふわの金髪がタンポポの綿毛みたいに頬をくすぐる。 少しだけ時間が止まればいい。 そう思うと自然と目を閉じた。