「ああぁ、こっち向いちゃダメっ!」 「ナオヤ……もしかして泣いてる?」 「泣いてないっ!」 「嘘だ」 「嘘じゃない……」 てか、泣いてるじゃん。 なんか、見ちゃいけない気がして立ちすくんだまま、震えるナオヤの声と指先だけを感じ取っていた。