灰皿に煙草を押し付けながら、アキトに声を掛ける。


「アキト〜、携帯鳴ってるよ〜」


…………。


「ん? 聞こえないのかアイツは、ったく」



もう一度、バスルームのドアを開けるとアキトが怒鳴った。


「覗くなっつうのっ!」


「だってぇ、携帯が鳴ってるっ」


「あぁもう、着信見て『ナオヤ』って名前じゃなきゃ、後で掛けるからほっといていいよ」


「はぁ〜い、了解!」


何故かスキップで戻ると、着信を確認する。