見た目の年齢はアキトよりわずかに上か、ワイン色の赤みがかった黒髪の前下がりのボブにはシルバーのメッシュが入っている。 いわゆる、年上のお姉さま。 だが、その風貌からは職業すら予想がつかない。 その彼女がふと、立ち上がって煙草をくわえたままバスルームのドアを開けた。 「ねぇ、アキト〜飯食った?」 飛び散る水しぶきすら、気にならないようだ。 「覗くなっ!」 「いいじゃん。少しくらい、減るもんじゃなし」