立ち上がり、動物園のシロクマみたいに左右にウロウロと落ち着かないまま、何度も同じ結論に至ってはふりだしに戻り、疲れ果ててようやく通話ボタンを押した頃には始めの勢いなど欠片もなくなっていた。 「アキラ、久しぶり……」 『………………』 「ん〜、どうもしてないよぉ。アキラ、元気かなぁって思って……」 『………………』 「あのさ、アキラ、アッキーに電話した?」