「ほぇ?」



両手も口の中も動かしながら、アキトは間の抜けた声を出した。
それに対し、ハルタは口の中の熱気を取り去るべくゴクゴクとコーラを流し込む。



「前に話したんです。アキトさんのドラムについて。
ナオヤさん、ホンットに惚れ込んでますよ。僕もですけど。
それで、その時云ってました。
『アッキーのドラムは一音一音が重たくって、絶対に手を抜かない。それなのにあの“手グセの悪さ”ったらないよなぁ〜!』って」


「やっぱ云ってんじゃん。前半部分は感謝します」


「よく考えて下さいよ。ナオヤさんの日本語には、通訳が必要ですよね?」