両手はテキパキと動いたまま、合間で煙草を口に戻す。 「そうなんですかぁ。凄いなぁー、僕そういうの全然ダメなんで」 煙草をくわえたまま、答える。 「あー、酒飲む時はやらないよん。今日は特別ね」 「なんかすいません。 あれ? なんで一人暮らししてんですか? お母さん一人なんですよね?」 もう一度、煙草を灰皿に置くとそのまま押し付けて消しながら、アキトはニコッと笑った。