「今、美味いの作ってやるからな」 一旦、灰を落としながらアキトが云う。 「アキトさん、料理得意なんですか? 一人暮らしですもんね?」 「ん?」 口にくわえた煙草を灰皿に置くと、それに答えた。 「ああ、嫌いじゃないよ。てか、一人暮らしするずっと前からやってるからね。うちね、母子家庭だったの。母一人子一人の。だから、夕飯担当、俺だったって訳」