「あのう、僕なんかで良ければ相談に乗りますから、なんでも云ってください」


驚いた表情で顔を上げたアキトはすぐに目を細め、優しい笑顔に変わった。



「ハルタはイイコだねぇ。高校生に心配されるようじゃ、俺って駄目な大人だよね」


「そんなことありませんっ! 僕、尊敬してますからっ」


「俺なんか尊敬しちゃダメだよ。ロクなのになんないよ」


「アキトさんになんと云われようとも、もう遅いですから。尊敬してるもんは尊敬してるんですっ」


「うっれしいねぇ。飯でも食い行くか、若者よ。奢らせろ、そしてやっぱり相談させて」



立ち上がって、ハルタを小脇に抱え込むと小さな頭をグシャグシャと撫で回して云った。