君がいた部屋~二階階段前倉庫~



「ねぇって、美羽は何で平気なの?」


「平気って?」


「翔太が死んで、彼氏が死んだんだよ?!なのにさ…どうやったらいつも通りでいられるの?!
美羽はさ、翔太のこと好きじゃなかったの?!」


そこまで言うと桜は泣き出した。


「翔太のことは大好きだった。でもさ、もう翔太には会えないんだよ?」


「だから?」


「だからって、」


「それぐらい桜にだって分かるよ。でもさ…桜はそんな風に出来ないよ!桜は、そんなに強くないよ!!」


「だからって、何時までも桜はそうやっていくつもり?桜の気持ち分かるよ。でもさ、そんな桜見ても翔太は喜ばない。ちゃんと、前向いていかなとダメだよ。」


「ふざけないで!!!」


「…」


「何が前向いてよ!美羽は、全然桜のこと分かってない。分かってるフリしてるだけだよ。」


「そんなこと無い!」


「あるよ…美羽がそんな子だって、思わなかった。」


「桜!」


「美羽は、もっと純粋な子だと思ってた。美羽は、翔太のこと愛してなかったんだ。」


「違う。」


「そうだよ。絶対そうだよ。愛してるって、思い込みたいだけでしょ?桜バカみたい。こんな子友達だと思った、桜がバカだった!!!」


「…」