君がいた部屋~二階階段前倉庫~



その日の朝は、とても綺麗に思えた。


昨日はいつもみたいに心配してくれる翔太が嬉しくてあんまりちゃんと考えてなかったけど、


昨日って、デートの誘いが本題だったんだよね?


あたしは一馬がいなくなってからクローゼットの扉を勢いよく開けた。


何着ていったらいいか分かんないよ。


一応一馬は服は買ってくれる。


もっとも、会社の重役の養女として服ぐらい持っておかないといけなおって理由だけど、


あたしは一番好きなワンピース着て行った。


何か地味な気もするけど、いいよね?


あたしはドキドキしながらこの前のパスタ屋の前に行った。


翔太はまだ来ていなかった。


あたしはちょっと安心した。


今自分がどんな顔してるか分かんない。


そんな時に、あんまり顔見られたくない。