井川先輩のことは、
嫌いじゃない。
井川先輩だったら、あたしのこと大事にしてくれる気がする。
あたしは、
井川先輩のこと…
「本当にあたしなんかでいいんですか?」
「俺は、美羽ちゃんが好き。」
「よろしく、お願いします。」
あたしは、井川先輩の事好きになれそうだと思った。
「いいの?」
「あたしは、先輩のこと好きになれる気がします。」
あたしがそう言い終えるか言い終えないかするうちに、井川先輩はあたしの手をキュって握った。
「俺、美羽ちゃんの事、美羽のこと大切にするから。」
「井川先輩、」
「俺のこと、翔太って呼んで。」
あたしは翔太って呼んだ。
井川先輩は、ううん、翔太は、嬉しそうに微笑んで愛してるよって言ってくれた。
これからずっと翔太はあたしの事愛してくれるって思った。
ずっとずっと、そうであってほしいって
願った。



