君がいた部屋~二階階段前倉庫~



井川先輩のことは、


嫌いじゃない。


井川先輩だったら、あたしのこと大事にしてくれる気がする。


あたしは、


井川先輩のこと…


「本当にあたしなんかでいいんですか?」


「俺は、美羽ちゃんが好き。」


「よろしく、お願いします。」


あたしは、井川先輩の事好きになれそうだと思った。


「いいの?」


「あたしは、先輩のこと好きになれる気がします。」


あたしがそう言い終えるか言い終えないかするうちに、井川先輩はあたしの手をキュって握った。


「俺、美羽ちゃんの事、美羽のこと大切にするから。」


「井川先輩、」


「俺のこと、翔太って呼んで。」


あたしは翔太って呼んだ。


井川先輩は、ううん、翔太は、嬉しそうに微笑んで愛してるよって言ってくれた。


これからずっと翔太はあたしの事愛してくれるって思った。


ずっとずっと、そうであってほしいって


願った。