あたしは暫く病院の中を歩き回った。
あたしはナースステーションを見つけた。
あそこで訊こう。
少なくとも、お父さんとお母さんの居場所くらいは分かるかもしれない。
あたしは近づこうとした。
中から話し声が聞こえた。
「308号室の三神美羽ちゃん、助かったらしいわよ。」
「嘘!あんなに大きな事故だったのに?!」
「みたいよ。」
「でもあの子どうするの?一人じゃない!」
「あなた縁起でもない事を!!」
「そうだけど、ご両親は二人とも意識不明の重体なのよ。はっきり言って助かる見込みは…」
その後看護婦さん達がどんな会話を続けたかは知らない。
あたしは走り出していた。
二人がいる308号室に。



