君がいた部屋~二階階段前倉庫~



お父さんは車の速度を上げた。


海がより一層近くなる。


あたしはワクワクした。


もうすぐ家族での楽しい一時が待っているのだ。


真っ直ぐだった道路はカーブに差し掛かろうとした。


当にその時だった。



キー



凄まじい音と共に、激しく体が前に動く。


あたしは恐ろしさのあまり目をギュッと瞑った。