君がいた部屋~二階階段前倉庫~



「三神さんは?」


「あたしは…」


「言いたくなかったら別にいいよ。」


「ううん。そうじゃないの。あたしはね…」


あたしは切るまでの事を全て話した。


両親が死んだ事、義父の暴力の事、翔太や桜の事を。


話し終えるまでどれくらいかかったか分からなくなった。


だけど陽介君は黙って話を聞いてくれた。


「俺、自分が恥ずかしい。」


「え?」


「俺、自分が不幸だってずっと思ってた。こんな家に生まれて来なかったらって。だけど…俺は恵まれてたよ。」


陽介君は拳を握り締めて言った。


「そんな事ないよ。陽介君だって、その、あんまり幸せじゃないと思う。あたしは一人だから分かんないけど、人と比べられるってすっごい嫌だと思う。」


「…三神さんって優しい子なんだ。」


「そんな事ないよ。」


「実はさ、すげぇ失礼な話だけど、三神さんって性格歪んでる子かなって思ってた。あんな事されてるみたいだし、マジでリスカしてるみたいだし。だけど、俺なんかとつるまねぇ方がいいくらいいい子だったな。」


「あたしは陽介君の方がいい子だと思うよ。」


「俺は最低な人間だよ?」


「あたしには分かるの。」


「じゃあ何で三神さんは俺がいい奴って思ったの?」