エレベーターで三階まであがって、和人さんの部屋番号のインターホンを押すと扉が開いた。


「こんにちは、どうぞ」


「お邪魔します」



笑顔で出迎えてくれた和人さんの顔を見れて、やっとホッとする私。


「スノーは?」

「ベッドの中だよ」


一直線の廊下を過ぎると、日当たりのいいリビング。モノトーン色で統一されたシンプルな部屋。キレイに整理整頓されてる。


よく考えたら私……男の人の部屋に入ったの初めてだ。一人で、ソワソワと緊張していると、和人さんが寝室からスノーを抱いて連れてきてくれた。


「わ! 大きくなってる!」


見ない間にスノーは一回り大きくなっていて、猫の成長ぶりに驚いた。


「かわいい!」


両手で抱きしめて、黒い柔らかな毛並みを、優しく撫でてあげる。スノーも喉をゴロゴロと鳴らして、気持ち良さそう。