学校にいる間もずっと携帯はつながらなかった。 「いいもん……電話に出てくれなくても」 会いに行くから。 合鍵持ってるし。 放課後、和人のマンションに向かった。 もちろん仕事中の和人の部屋には誰もいなくて、寝室で寝ているスノーにソッと寄り添った。 「スノー……昨日、和人怒ってた?」 優しく黒い毛並みを撫でて思った。やっぱりスノーと話せたらいいのに。 昨日、私が帰ってからの和人の様子が聞きたいな。 話し掛けても目を一度開けただけで、すぐに目を閉じてゴロゴロ喉を鳴らしながらまた寝ちゃった。