生徒達でにぎわう廊下を駆け抜ける。 ハァ…ハァ…と息を切らせて、自分のクラスまでたどりつく。 だけど……。 「あれ?」 さっきまでいた廊下に、彼の姿はなかった。 「もー桃! トイレ行くとか行って、サボってんじゃないよー!」 受付にいる晴香がぷりぷり怒ってる。 「ごめんね」とあたしは手を合わせる。 「あの……深町は?」 「知らない。 なんかひとりでどっか行っちゃったよ?」 「え? ひとり? あの……1年の女の子は?」