フンフンフン♪

なんて。


さっきから鼻歌なんか歌っちゃって。



廊下を歩きながら

深町京悟は、金色に光るものを上に放り投げてはキャッチ、そんなことを数回繰り返している。


手にしているのは、もちろん鍵型のチョコ。


あたし達は無事に、アリスの迷路から3分以内に抜け出せたのだ。




「さて……」



と、ひときわ高く放り投げたチョコをキャッチした彼が振り返った瞬間。




「深町先輩!!」



どこからともなく、そんな叫び声が聞こえた。