そして心底残念そうに言う。 「桃ちゃん、よくうちの高校入れたね」 「ちょ、その憐れむような目で見るのやめてよ! なんとなくはわかるよ。けど、ちゃんとした意味を知らないっていうか……」 最後の方はモゴモゴと言葉をにごしてしまった。 深町京悟が言う。 「物事の細かい部分にとらわれすぎるあまり、森……つまり全体が見えてないことの例え」 「あ、そうそう。たしか、そんな意味だった。 ハハっ」 とりあえず笑ってごまかしちゃえ。 ジトって疑いの眼差しで睨まれたけど。