―――――――― ―――――…… 気がつくと、あたしはなぜかお姫様のようなドレスを着ていた。 ここはどこだろうと、キョロキョロ視線を動かしてみる。 そこは、さっきまでいたはずの屋上ではなくて、お花畑の真ん中で。 周りは色とりどりの花で埋め尽くされている。 だから、ああ……これは現実ではなくて夢なんだとすぐにわかった。 子どもの頃、こういう夢をよくみたんだ。 だいたい、こういう場面では王子様が出てくるんだよね。 なんて、空想を広げてみると、本当に王子様が現れた。