2LDKのお姫様

『明日ね、あの二人いないの。だから、うちに来ない』


『お好み焼き作るから、一緒に食べたいな……』


ただの嫉妬だとは気付いてる。


『鰹節とか青のりとかも、無いから買いに行きたいし……』


そう言いながら、自信の無い声まで出して、本当に。


「チーズもいるんじゃないですか」


『……うん』


自棄に愛らしい姿。


顔を赤くして、恥ずかしがりながらシオリの赤くなった目を擦る。

彼に遠慮がちになるのは私の悪い癖かもしれない。


『じゃあ指切り』


柔らかい手。


彼が触ると何故か、安心する。


『……約束ね』


「うん」



緊張しすぎて冷や汗が出る。


『ゆっくり話もしたいから、ちゃんと早起きしてね』


「はい」