2LDKのお姫様

「あんなヲトコを好きになるのはシオリ、あんたぐらいよ」



『いや、大くんは本当に優しいし、本当は強いと思う。頼りがいも本当はあると思うし……』


一気に込み上げる。


「だからさ、好きなんでしょ」


好きなら、さっさとその気持ちだけは伝えてこい、とホノカに言われて、大の部屋の前には来たけれど。


怖くて中へ入れない。


最後の涙を手で擦り、もう目の辺りは真っ赤になっている。


そして……


ピンポ―ンとボタンを押した。


「や、やあ」


大は直ぐに出てきた。


そして直ぐにシオリを中に入れた。


「寒かったでしょ。来る時に電話すれば迎えに来たのに」


笑いながら話す彼。


でもやっぱりモテないと思う。


大の目も真っ赤になっていたし、しかも迎えに来るって、そんな、隣なのに。


『あのね………』


二人はベッドに座り、大が持ってきたコーヒーを一口飲んだ後、口を開き始めた。


『私ね……』


つまる。


「………うん」


怖い。


すごく。