2LDKのお姫様

『他には何も無いわね』



コートを手にし、靴を用意する。



「どこに行く」



『角のコンビニだけど』



「じゃあゼリーとジュース買って来て。はい財布」



『はぁぁ』



投げられた財布を拾い出ていく。



取り残された3人。



………………………



「シオリ1人で大丈夫かな」



「途中で襲われたりしてね」



「い、行きますよ」



大も渋々立ち上がる。



ドアを出ると外はすごく寒い。



夕方の方がやはり温かかった。



『……………』



拗ねたシオリは1人とぼとぼと歩く。



まるで怒ったペンギンの様にその足取りは遅い。



「おーい」



『…………っ』



聞きなれた声に
ビクッと体が固まる。



「あぁ、良かった。間に合った」



大がやって来た。