2LDKのお姫様

まず、彼の両親が自分を見てどう思うか。


彼よりも5つも年上だし、自分の出生もよく分かっていない。出会ったきっかけも、あまり良いとは言えないし。


こんな得体の知れない女に、大事な年若い息子をほいほいと、渡すだろうか。


そんな不安を打ち明ける度に彼は「大丈夫ですよ」とばかり言うのだが、安心出来ない。


ただ、ここに来て彼を諦めれるかと言えば、それは出来ないのが本心。


もう、彼のことを、自分の身体の一部と思えるくらい信頼しているし、それに他の人に捕られると思うと苦しすぎて、考えたくも無い。


悩み過ぎなのは自分に非があるが、これはどうにも出来ない。


仮に両親に関係を許されても、結局三年は、離ればなれだ。


独りに耐えきれるか、とても心配だ。


最近は毎日のように寝食を共にしている。意外に研修が決まってから、大のほうから、それを懇願してきた。


毎日欠かさず彼はシオリの作る料理を讃え、夜は優しい言葉をかけ続けている。


生理中にも関わらず、それは続くので、シオリも流石に、よく疲れないなと感じてはいたが、下心を還元する夜も多かったので、2人の愛はよりいっそう強くなっていた。