2LDKのお姫様

ホノカは意外にも、未だに必ず毎月決まって1日に家賃を持ってくる。


そのたびにシオリは夕食を用意するのだが、最近は忙しいようでポストに入れて帰ることが多くなった。


もちろんその時は必ず大が夕食を食べに来る。言わば、廃棄だ。


いや、本当は寂しいのだと大も気付いていた。廃棄の代償を支払うのは世の常だ。だから彼のの身体は夜に満たされる。他意は有りすぎるが。


おかげで最近の彼は締まりが無い。ご飯が美味しいのだ。いつもバイトの賄いなどでやり過ごしてきた勤労学生には充分過ぎるのだ。


晩餐中の会話はいつも決まっている。「今日は何かあった?」に始まって「そっか」で結ぶ。そして一緒に住む話をさり気なく始める。


大はどうやら早く一緒に暮らしたいらしい。もちろん、もっと夜を充実させたいという意味ではない。


彼はもうじき関東へ研修に行かなくてならないのだ。そしてその後はすぐに実家の方にある事務所に入る予定だ。


つまり、ここを離れるわけだ。