2LDKのお姫様

時は先週、シオリが実家に戻って数日経った頃に遡る。


結局シオリは彼のケータイに電話をかけはしなかった。


番号を押した瞬間、逆に彼の方から着信が来たのだ。


実はシオリの部屋で飲んでいたあの翌日、ソファーで眠っていたホノカが急に泡を吹き出し、終いには仰向けのまま嘔吐し始め、救急車を呼ぶ寸前までの事態になったのだ。





──急性アルコール中毒──





シオリの指示の下、大の迅速な応急処置で命に別状は無かったが、念のためホノカを病院に運び緊急入院することになり、慌ててシオリも帰って来たのだ。


しゅいろの受験直前に急に入院することになり、2人は病室でかなりの時間シオリに説教された。


しゅいろの最終確認を終えて、大の事は気になっていたが、取りあえず一安心して帰省していた時に、まさかのアクシデントだったのだ。


しゅいろも受験前日にもかかわらず、慌てて病院に駆けつけたらしい。


まったく、しゅいろの受験は誰も想像しえないほど慌ただしかった。市内中がまるで何かの乱中かと思えたほどだ。


どうにか受験は無事に終わり、買い物を終えた2人は病室へ向かう。


そのお見舞いの為の買い物でもあったのだ。


少し早い合格祝いと、少し早い退院祝い。


まったく、大変な1日だったわけだ。