2LDKのお姫様

そして


15分後………


「すみません、もう仲直りしてくださぁい」


最後の手段、泣き寝入りだ。


結局、彼女は車の前で大を待っていた。


そこで車に乗って大はすかさずそれをやったのだ。


『ち……ちょっと、泣きつかないでよ』


「すみません、すみません」


こんなに謝ってくる彼の姿は、見たことがなかった。


『ちょっと、もう……』


彼に泣き付かれて、少し憎悪の気持ちが揺らいでしまったのは認めざるを得ない。


しかし、ここで甘えさせては恋人して、いや年上の彼女のなおれである。


『とにかく放しなさい』


「はい、すみません……」


やっと謝るのをやめた。


『仲直りは帰ってから考えておきます。とにかくもう遅いから、早く帰るわよ』


「はい……」


冷ややかではあるが、まあ冷静な彼女はいつもの事だ。


『帰ったら後であなたの部屋に行くから』


「はい……」


『あと加湿器出しておいたから、ちゃんと付けて寝てください』


「はい……」


とにかく彼女に言われるがままの状態のまま、二人は家路についた。