2LDKのお姫様

「はぁぁ……、仲直りの方法ね」


とまた強い声。


まったく見た目通りの声だ。


「まずさ、どうして私に相談しに来たのよ」


「いや……香坂モテそうだし、なんかそういうコト慣れてそうだから……」


「それは何、私はよく喧嘩してるって言いたいわけ」


と言って彼女は溜め息をついた。


「私はモテないよ……」


香坂の論はそうやって始まった。


「私、男は嫌いなんだ。だからいくら何が起きても、そんな人をつくる予定はないし、喧嘩も起きない」


意外だ……。失礼。
男が嫌いなのは知っていたが


「そっか。じゃあさ、いや普通にさ、例えばだよ。好きな男に何をされたら嬉しい」


「そうだなぁ。だいたい私、恋人なんていたコトないし」


と悩む。


「金……」


「はぁぁ……。お前に聞いたのが馬鹿だった」


と今度は大が溜め息をついている。


「だいたい、あんたの彼女なんだから、あんたが一番わかってやんないと。可哀相よ」


と、らしいと言えばらしいコトバ。


「まあ………そうだけど」


やはり自分で考えるしか無いのだろうか。