2LDKのお姫様

ケータイの画面に写っていたもの。


「き、記念日……」


「ちょっと、今日記念日じゃない」

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<スケジュール>
☆記念日☆
20XX/XX/XX 19:56
[内容]
シオリさんと付き合い始めた日。2年目。
夜からデート。

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「あはは……」


大がおかしくなった。精神の崩壊である。


「記念日だったから、そこまで怒ってたわけね」


やっと合点がいった。


「記念日を忘れて、しかも他の女とデートしてるなんて、やっぱり最低ですね」


「………」


ヤバイ。これはヤバイことになった。なんてことをしてしまったんだ。それが大の心から叫びたい言葉だった。


「ちょっと、用が出来たのでシオリさんの部屋に行って来ます」


大の後ろ姿がこれほと怯えていたことは無い。


「ありゃ別れるんじゃないですか」


「それは困る」


「どうしてですか」


「だってあの二人が別れたら、もう弄れないのよ。あんな面白い格好の餌は無いのよ」


「はぁ……」


ホノカのしょうもない理由に、しゅいろは呆れるしかなかった。