2LDKのお姫様

シオリの部屋に着いた頃、すでに5時30分。


『ふーん………』



おそるおそるコトの経緯を話した。


「だから……その、今日はゼミの友達とどうしても外せない食事会が……」


いつも堂々としている大が今日は怯えてばかり。いや本当は怖そうな顔をして、実は人一倍臆病なのだ。


その頃リビングでは〜


「あれ、シオリと大くんは」


「なんかさっき呼ばれて、シオリ先生の部屋に入って行きましたよ」


「なになに、2人でHな事でもしてるの」


何も知らない2人はのんきにTVを見ている。


「いや多分、お説教ですよ」


「どうして解るの」


「だって、シオリ先生、2時くらいまでは凄く浮かれててお洒落してましたよ。で3時過ぎくらいから少し何かケータイを触りだして、心配しだして、5時くらいには凄く怒った顔してましたもん」


的確な説明だ。


「解るよ。まるで手に取るように事の経緯が解るようだよ」


シオリの部屋。


『今日、3時からって約束したのは、あなたじゃありませんでしたか』


「はぁ……」


正座を強要されるのは久しぶりだ。


『別にちゃんとした理由があって私の約束を破るなら良いわ。でも友達と食事してて忘れるなんて。しかも連絡を無しに』


もう泣きそうな顔をしている。


「あの……シオリさん」