2LDKのお姫様

まあ理由はそれだけでは無い。



今はこの狭い研究室に大を含め2人しかいないのだが、今日の会合には教授を含め4人が集まる予定だ。


しかし教授はいつも二次会という名目の飲み会にしか参加なさらない。


あと1人は、あの目付きの悪い大がとても苦手としている人物がいるのだ。


「でも知りたい物は知りたいじゃん」


「わかった。後でお前の頭でも解る様に簡潔にまとめて話してやるから、今はおとなしくしてなさい」


頭をたたかれしぼむ。


正直な所、落ち着かないのだ。


「そういえば遅いね」


「な、なにが」


思わずドキッとした。


「先生だよ」


「ああ。先生ならどうせ来ないさ」


少し安堵がこぼれた。


「そういえば香坂ちゃんも遅いね。バイトかな」


「こ、香坂は、バイトだろ」


まったく、あいつの話をされるだけでビクビクする自分が悲しい。


「早く来ないかな」


「す、すぐに来るさ」


内心、是非とも来てほしくない。


あいつといると、間どころか、心臓の拍動がもたない。